ホーチミン1区は経済・行政・文化などの都市機能が集中する中心エリア
ホーチミン1区は、経済、行政などの都市機能が集中したホーチミン市の中心であり、旅行者にとっては観光の拠点となるエリアです。近代的なビル群と歴史的建造物が融合するホーチミン1区について詳しくご紹介します。
ホーチミン市の中心となる1区
ホーチミン1区は、経済・行政・文化などの都市機能が集中しており、観光においてもコロニアル様式の大聖堂やオペラ座など歴史的建造物のある個性的な町並みです。公園、並木道、大きなラウンドアバウトなどが整備されたつくりとなっており、これはフランス領インドシナ時代にフランス人建築家によって都市計画されたものです。日本人街として知られるレタントンも1区にあります。
ホーチミン1区の位置
ホーチミン市の中央に位置しており、北は3区と、北東にチゲー運河を挟んでビンタイン区、東はサイゴン川を挟んでトゥドゥック市、南はベンゲー水路を挟んで4区、西は5区に境界を接しています。
ホーチミン1区
ホーチミン1区の主な観光エリア
ドンコイ通り
ドンコイ通りは、サイゴン(ホーチミン1区周辺の旧名)のシャンゼリゼとも言われるホーチミン市で最も栄えた通りの一つで、サイゴン大聖堂前のロータリーからサイゴン川までのびています。観光の中心であり、通り沿いにはオペラハウスなどの歴史的建造物や、マジェスティックホテル、ホテル・コンチネンタル・サイゴンなどのコロニアル様式の高級ホテルが立ち並び、Vincom Centerや、ユニクロと無印良品の大型店舗が入居するPARKSONなどのショッピングモールがあります。
ドンコイ通りについての詳しい情報はこちらの記事を御覧ください。
サイゴン大教会
聖マリア大聖堂とも呼ばれるネオゴシック様式の教会で、フランスの植民地だった1863年から1880年にかけて建設されました。建築家ジュール・ブラール氏の設計によるもので、高さはおよそ60メートル、長さは93メートルにおよび、すべての建築材料はフランスから輸入されました。1962年にバシリカの地位を授かっており、1959年に教会前の象徴的な平和の聖母像が設置されています。現在は100年以上の年月を経て老朽化した構造を修復する工事が2017年より続いています。
サイゴン大教会についての詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
ホーチミン人民委員会庁舎
ホーチミン人民委員会庁舎は、1898年から1908年まで建設されたフレンチコロニアル様式の建築物で、フランスの植民地時代に西コミューン宮殿よばれていました。ベトナムの南北統一以来、ホーチミン市人民委員会、ホーチミン市人民評議会、その他の機関の庁舎となっています。優雅な装飾と、グエンフエ通りを見下ろすように鎮座するその存在感は、ホーチミン市のランドマークであり、建物前の公園にあるホーチミン像とともに観光客に人気の定番撮影スポットとなっています。
ホーチミン人民委員会庁舎についての詳しい情報はこちらの記事を御覧ください。
サイゴン中央郵便局
サイゴン中央郵便局は、ホーチミン1区にある郵便局で、サイゴン大教会の横に位置しています。コロニアル様式の歴史的建造物で、西洋の雰囲気が感じられる観光のハイライトの一つです。1886年より建設が開始され、当時のフランス領インドシナの郵便・電信施設として1891年に完成しました。鉄骨設計はギュスターヴ・エッフェルが手がけ、パリの当時駅舎であった現在のオルセー美術館をモデルにしたといわれています。現在も郵便局として機能しています。
サイゴン中央郵便局についての詳しい情報はこちらの記事を御覧ください。
ホーチミン市民劇場
オペラハウス、オペラ座とよばれるホーチミン市の劇場で、1897年フランス植民地時代にフランス人建築家ウジェーヌ・フェレによりオペラ・ド・サイゴン劇場として建築され、一時は南ベトナム共和国下院議会の政治的な場所となりましたが、1975年以後は再び劇場となり現在に至ります。
グエンフエ通り
ホーチミン人民委員会庁舎からサイゴン川に向けてのびる大通りで、商店や飲食店、銀行などが立ち並んでいます。大通り中央は2015年より歩行者天国となっており、カウントダウンや各種イベントが行われる会場にもなっています。
ホーチミン人民委員会庁舎前の公園にはホーチミン像が建てられており、撮影スポットとして人気です。レロイ通りとの交差点には、蓮の花のかたちをしたガラスのモニュメントが設置された噴水があり、蓮の花に向けての放水や、ライトアップがあります。
ベンタイン市場
ベンタイン市場は、レロイ通りとレタントン通りに挟まれた1区の中心部にある大規模な市場で、1万m²を超える広さの敷地に2000ほどの店舗が入居しています。ホーチミン観光の定番お買い物スポットとして人気が高く、おみやげ物から、洋服、アクセサリー、生活用品、食品などあらゆる商品が揃っています。市場内には食事のできるお店もあり、ベトナムスイーツなどもたのしめます。早朝から19時くらいまで営業しており、夜の時間は建物の外がナイトマーケットとして賑わいます。
ベンタイン市場についての詳しい情報はこちらの記事を御覧ください。
統一会堂
統一会堂は、ベトナム政府によって歴史的意味を持つ国定記念物にしてされた建物で、フランス植民地時代に建設され、ノロドン宮殿の名称でコーチシナのフランス総督によって使用されました。フランス撤収後は南ベトナムの独立宮殿、南ベトナム大統領府として、1975年4月30日のサイゴン陥落まで使用されました。現在は南ベトナム大統領府当時のままで保存された博物館として有料で一般公開されており、建物内の一部の部屋は国際会議などで使用されています。
ファングーラオ
ファングーラオは格安の宿泊施設や、旅行会社、バーやカフェなどが集まるホーチミンのバックパッカー街として知られています。ファングーラオ通り、デタム通り、ブイビエン通りの3つの通りから構成されており、デタム通りにはベトナムで最も有名な旅行会社の一つであるシンカフェがあります。ブイビエン通りはバーなどのきらびやかなネオンと大ボリュームの音楽で賑わうホーチミン屈指のナイトスポットです。
深夜になるほど盛り上がる夜のブイビエン通り
ファングーラオについての詳しい情報はこちらの記事を御覧ください。
サイゴン動植物園
サイゴン動植物園は、世界的に最も古い動物園の一つで、敷地内にはホーチミン市歴史博物館もあります。動物園には100種以上の哺乳類、爬虫類、鳥類が集められており、植物では多くの珍しい蘭や観賞植物を鑑賞することができます。見どころは、一番人気のホワイトタイガーや、希少動物のコビトカバ、餌やりのできるアジアゾウなどです。
レタントン通り
レタントン通りはホーチミンの日本人街として有名な通りで、日本食の飲食店や居酒屋が集まっています。レタントン通りとタイバンルン通りの間にはヘムと呼ばれる路地裏があり、主に日本人を対象としたカウンターバーやカラオケ、マッサージ店が軒を連ねています。
サイゴン川リバーサイド
サイゴン川は、1区とトゥドゥック市のトゥーティエムとの間に流れているカンボジアを源流とする川です。1区側のリバーサイドは、ベトナムらしさの味わえるコロニアル様式のホテル マジェスティック サイゴンや、市民の憩いの広場であるバクダン港公園、夜景の撮影スポットとして人気のバーソン橋などがあります。
金融期間が集まったホーチミン1区のウォール街
ホーチミン市のウォール街として、ベンニャ川沿いのVo Van Kiet通りや、Ham Nghi通り、Nguyen Cong Tru通りなどがあります。ベトナム国家銀行(中央銀行)ホーチミン支店や、ホーチミン証券取引所などの金融機関が集まっています。
Vo Van Kiet通り
ベンニャ川沿いのリバーサイドで、川を挟んでベンバンドン通りと向かい合っており、トゥドゥック市のトゥーティエムにつながる川底トンネルのトゥーティエムトンネルが走っています。
ベトナム国家銀行は、1930年から1957年までフランス植民地時代にフランス領インドシナの商業銀行であるインドシナ銀行サイゴン支店でした。その後、1957年から1975年4月までがベトナム国家銀行となり、南ベトナム体制崩壊後の1976年7月に、2つの国の管理構造は公式的に統一され、ベトナム国家銀行ホーチミン市支店となっています。
ホーチミン市証券取引所(HOSE)は、2000年7月20日に設立のベトナム最大の証券取引所です。
Ham Nghi通り
ベンタイン市場の南側正面玄関前のロータリーからサイゴン川にのびる大通りです。オフィスビルなどが立ち並ぶビジネス街となっています。
Nguyen Cong Tru通り
銀行、証券、保険会社の支店が集まっています。
ホーチミン1区のショッピングセンター
ホーチミン高島屋
日本の百貨店の高島屋です。日本のブランド商品や、食品が手に入ります。日本食レストランでの食事にも利用できます。
ビンコムセンター
観光の中心であるドンコイ通りにあるショッピングモールで、アパレルを中心に飲食店やショップなどが入居しています。
パークソン ドンコイ
ドンコイ通りにあるショッピングモールで、ユニクロと無印良品の大型店舗があります。
ホーチミン1区の今後
ホーチミン1区は、現在ベンタインやドンコイからタオディエンなどをつなぐ地下鉄のホーチミンメトロ1号線が間もなく開通の最終段階に入っており、今度はホーチミン市の主要エリア間の移動が格段に便利になります。人の流れは様々な要素に変化を与え、住居、職場、トレンドスポットなど、今までになかった選択肢が増えていくことでしょう。
トゥーティエムのリバーサイド開発や、ホーチミン市の象徴であるサイゴン大聖堂の改修工事など、人の集まる場の整備が活発であり、さらに多くの外国人が訪れる魅力的な観光エリアとしても発展を続けています。