ベトナムで外国人が働く場合、労働許可証（ワークパーミット）と就労ビザの２つが必要です。労働許可証は、ベトナムにおける就労を認めるもので、入国・滞在を認める就労ビザあるいは、テンポラリーレジデンスカードとあわせて取得しなければなりません。ベトナムで就労するための労働許可証の申請方法と、必要書類について解説いたします。
テンポラリーレジデンスカードについてはこちらの記事を御覧ください。
労働許可証の種類
ベトナムの労働許可証（ワークパーミット）以下の3つのポジションがあり、準備する書類は基本的に同じですが、ポジションによって若干異なる部分があります。
管理職、CEO
企業の管理者および私人企業の管理者。機関・組織のトップ、またはそれらの者より委任を受けた者。
専門家
ベトナムの現地法人で担当する職務に適合する分野を専攻とする大学での学位を取得しており、その専門分野において、少なくとも3年の勤務経歴を持つ外国人労働者。
または、日本政府機関や政府関係機関が専門家と認定された資格証明書を保持している者。（職務経験がない、学位の提出ができない場合など）
技術者
当該分野またはその他分野について、最低1年間以上の教育を外国企業で受け、その専門分野において少なくとも3年の実務経験を有する者。
労働許可証取得の流れ
ベトナムの現地法人などへ駐在員として赴任、または現地採用として就労する人が労働許可証取得までの一般的な流れとして、商用ビザを日本あるいは最三国で取得して入国します。取得に必要な書類を準備し、申請を行います。
労働許可証の必要書類
1.労働許可証申請書
2.健康診断書
3.投資登録証明書・企業登録証明書
4.パスポート
5.カラー証明写真（4cm x 6cm）2枚
6.犯罪経歴証明書/無犯罪証明書
7.委任状（駐在員の場合）、労働契約書（現地採用の場合）
8.大学卒業証明書
9.人民委員会からの外国人承認証明書
労働許可証の取得条件
管理者・CEO
職位を証明する文書（雇用契約書／任命状／以前取得した労働許可書）
専門家
ベトナムの現地法人で担当する職務に適合する分野を専攻とする大学での学位を取得しており、その専門分野において、少なくとも3年の勤務経歴を持つ外国人労働者。
または、日本政府機関や政府関係機関が専門家と認定された資格証明書を保持している者。（職務経験がない、学位の提出ができない場合など）
技術者
当該分野またはその他分野について、最低1年間以上の教育を外国企業で受け、その専門分野において少なくとも3年の実務経験を有する者。
労働許可証の必要書類の作成
1.労働許可証申請書
2.健康診断書
必要な検査項目を満たしたベトナム・日本で発行された健康診断書。指定のベトナム国内の病院で診断を受けるのがよいでしょう。
3.投資登録証明書・企業登録証明書
会社設立に必要な投資登録証明書(IRC)と、企業登録証明書(ERC)についての情報はこちらの記事を御覧ください。
4.パスポート
労働許可証の有効期限は最長2年であるため、2年で申請されることがほとんどでしょう。もし、パスポートの有効期限が2年を切っていた場合、労働許可証の有効期間も同じ2年以下になりますので、パスポートの有効期限が1年未満の場合は、パスポートの切り替えを行うことをおすすめいたします。
5.カラー証明写真（4cm x 6cm）2枚
労働許可証申請用の証明写真はカラーです。背景は原則として白。正面撮影で、脱帽。不鮮明写真は不可となっています。
6.犯罪経歴証明書/無犯罪証明書
犯罪経歴証明書、無犯罪証明書あるいは警察証明とよばれるもので、申請者に犯罪歴がないことを証明するための書類です。
申請先が日本の場合
各都道府県の警察署にて申請を行います。警察署により、警察証明の必要性を証明できる書類の提示、または労働許可証申請フォームの提示を求められるなどの違いがあります。日本での申請から取得までの期間は、2、3週間が多いようです。
申請先がベトナムの場合
ベトナム居住者で、ベトナムで取得する場合は、ハノイ日本大使館またはホーチミン日本領事館に申請します。申請先が日本の場合と異なり、取得までに2ヶ月ほどかかります。（※特別な審査が必要な発給事由に該当する場合は約3か月かかります。）
7.委任状、労働契約書
委任状
日本法人から社内異動で駐在員として派遣され赴任する場合に、日本の親会社から任命書を発行してもらいます。
労働契約書
就労するベトナムの会社と申請者の当人の労働契約書で、会社側が用意します。
8.大学卒業証明書
管理者・CEO、専門家の場合、大学に卒業証明書を依頼して発行してもらいます。ウェブ申請で、郵送受け取りなどの方法も一般的です。
技術者の場合、大学卒業証明書の提出の必要はありませんが、当該分野またはその他分野についてトレーニングを受けた者と定義されているため、トレーニング機関の終了証明書または会社からの証明書などが必要となります。
9.労働許可証の申請と受領
労働許可証は、市・省の労働傷病兵社会事業局、あるいは工業団地・輸出加工区・ハイテクパーク・経済特区の管理委員会に申請し、発給されます。
受領までの期間は、新規で7営業日以内、再取得で3営業日以内となっています。
労働許可証の期限
付与された労働許可証の有効期間は最長2年間で、1回のみ更新が可能です。
労働許可証を取得したら〜テンポラリーレジデンスカード
労働許可証を取得し、就労目的で1年を超えて長期滞在する場合、外国人に発行される在留許可証があります。テンポラリーレジデンスカードといい、日本語で「一時在留許可証」と呼ばれものです。（Temporary Residence Card 通称TRC）
シングルビザのように回数制限のあるものではなく、何度でもベトナム出入国が可能です。
テンポラリーレジデンスカードについてはこちらの記事で解説していますので、あわせて御覧ください。
