トゥドゥック市はかつて2区とよばれたタオディエンのある新都心

トゥドゥック市は、ホーチミン2区とよばれたタオディエンや、アンフー、トゥーティエムのある新都心です。革新的で高度にインタラクティブな都市開発と構築を掲げたトゥドゥック市についてご紹介します。

トゥドゥック市(Thành Phố Thủ Đức)は、ホーチミン市にある省轄市で、2020年12月9日に2区、9区、トゥドゥック区が合併して成立しました。市の面積は211.56 km²で、34坊から構成されており、ホーチミン市の地域総生産(GRDP)の主要な中核となることが期待されています。トゥドゥック市の行政組織には、地区人民委員会の一般規定よりも多い 16 の専門機関があります。

公共の非ビジネス部門では、社会保障センター、技術インフラ開発センター、貿易・投資促進センターの3つのセンターを設立し、文化センターとスポーツセンターが統合され、文化スポーツセンターとしました。

「高度にインタラクティブな創造的な都市に構築する」ためにホーチミン市政府によって投資されています。

トゥドゥク市はホーチミン市の東に位置しています。東はビエンホア市とドンナイ省のロンタン地区とドンナイ川で境界を接しており、西は12区、ビンタン地区、1区、4区とサイゴン川で境界を接しています。南はドンナイ省のNhon Trach地区と7区、北はビンズオン省のトゥアンアン市、ディアン市と境界を接しています。

タオディエン Thảo Điền

かつての2区を象徴するエリアのタオディエン。多くの欧米人が居住しており、欧米系インターナショナルスクールや、富裕層の一軒家も見られます。おしゃれなカフェやレストラン、雑貨などのショッピングスポットがあり観光客にも人気です。ホーチミン市メトロ1号線のタオディエン駅が設置され、近年は日本人の居住者も増加しています。

主なショップやカフェなどの多い通りでは、Thảo Điền通り、Xuân Thuỷ通り、Trần Ngọc Diện通り、大型の複合商業施設ではビンコムメガモールタオディエンなどがあります。サイゴン川の周辺は緑が多く、スパなどもあります。

アンフー

タオディエンの東に位置するアンフーは、ホーチミン市メトロ1号線のアンフー駅設置に伴い、開発が進んだエリアです。不動産開発によりコンドミニアムが増え、ショッピングモールのパークソンカンタビルや、大型スーパーのMMメガマーケット、各国のインターナショナルスクールなどがあります。

トゥーティエム

トゥーティエムは、1区の対岸にある約700ヘクタールの新都心計画エリアです。インフラシステム整備や、商業、不動産、公共施設などの誘致を進め、中国の上海(浦東新区)や深圳市のような都市づくりを目指しており、ウォール街の金融機関も移転予定となっています。1区とはトゥーティエムトンネルや、バーソン橋などの橋でアクセスしています。ひまわり園のあるサイゴン・リバーフロントパークは、美しい都市景観を形成しています。

今まで外国人に人気のエリアとして知られていた2区がトゥドゥック市となり、2区という名称で容易にイメージしてきた町は今や巨大な新都市です。特にトゥーティエムは、リバーフロントを文化的なエリアとして開発していく計画もあり、まったく新しいエリアとしての都市づくりが進められています。まだ不動産の建設や入居、インフラなど目標と現状が合致していないとの指摘を目にすることもありますが、それぞれ異なる特色を持つ地区が統合され、1つの市として栄えようとしています。ベトナムでは、この傾向は他の省でも見られ、地区の吸収合併は今後も増えていきそうです。

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