日本のベトナム向けODA融資総額が過去6年間で最高となる
ベトナム駐在のJICA代表は、JICAベトナムが民間セクター向け投資融資を除いて総額1022億円の融資を締結したと述べた。これは2017年以来の過去6年間で最高水準でとなる。
10月17日、ハノイで国際協力機構(JICA)は2024年度の中間報告会を開催した。ベトナム駐在のJICA代表の菅野雄一氏は記者団に対し、ベトナムと日本は2023年11月に関係をアジアと世界の平和と繁栄のための包括的戦略的パートナーシップに格上げすることに合意しており、それに基づきJICAはベトナムの経済発展を支援するプロジェクトの実施に努めていると述べた。
2023年4月から2024年3月までの日本の会計年度において、JICAベトナムは民間セクターへの投資金融を除いて総額1022億円(6億7800万ドル相当)の融資を締結し、2017年以来の過去6年間で最高水準となった。
技術協力は同会計年度で世界最大規模となる52億円(3500万ドル相当)に達し、無償援助は資本コミットメントで11億円(750万ドル相当)にのぼった。
「上記のプログラムとプロジェクトは、コロナ禍後のベトナムの経済回復を迅速に支援し、経済インフラと人材育成の両方に貢献し、中長期的な経済成長の基盤を築いた」と菅野氏は明言した。
さらに同氏は、安定的かつ持続的な成長を継続的に維持しているベトナムに、日本の人々と企業は引き続き大きな関心を示していると付け加えた。
JICAが協力している国の中で、ベトナムは日本への海外協力隊派遣45名、持続可能な開発(SDGs)分野における日本の中小企業の事業投資プロジェクト36件、草の根技術協力プロジェクト(開発パートナーシッププログラム)24件と、最も多い国だ。
また、ベトナムはJICAの「民間投資資金」プログラムの下でブラジルに次ぐ9件のプロジェクトを抱え、世界第2位の規模を誇る。各プロジェクトにおいて、JICAベトナムは質の高い成長、脆弱層の支援、人材育成の3つの柱に重点を置いている。
多くの人々の関心を集めているホーチミン市の地下鉄1号線プロジェクトも試運転が開始され、ホーチミン市は間もなくこの都市鉄道を運行開始する準備を急いでいる。菅野氏は、地下鉄1号線が人々の重要な交通手段となり、交通渋滞の緩和による二酸化炭素排出量の削減に貢献することを期待していると述べた。
洪水や土砂崩れのリスクを軽減する計画を策定
ベトナムのJICA代表は、同組織が農業農村開発省に派遣された災害リスク管理の上級専門家と連携し、北部地域に上陸して人や財産に甚大な被害をもたらした台風ヤギへの対応を支援したと語った。
台風上陸から8日後、ベトナム政府の要請を受け、JICAは被害が大きかった省の1つであるイエンバイ省の2,000世帯に浄水器やアスファルトシートなどの緊急支援物資を提供した。
さらに、菅野氏は、JICAはソンラ県の洪水や土砂崩れのリスクを軽減する計画を策定しており、最近の暴風雨で大きな被害を受けた北部地域でも同様の計画を策定することを検討、経済成長に向けた「より良い復興」を目指していると述べた。
北部地域の洪水や土砂崩れのリスクを軽減する能力を向上させる技術協力プロジェクトの枠組みの中で、土砂崩れのリスクを軽減する砂防ダムが9月からソンラ省で建設されている。
日本の新幹線高速鉄道システムの建設とベトナムでの経験について共有した菅野氏は、新幹線を建設する前、日本には全国に広がる従来の鉄道システムがあり、貨物輸送は主にこの従来の鉄道を使用していたと述べた。
その後、日本は道路開発に重点を置き、貨物の輸送は鉄道から道路へと移り、大量輸送ではなく、最速の輸送時間を重視した。
最近の傾向として、日本はCO2排出量の削減という目標を目指しており、鉄道輸送に切り替えている。しかし、輸送には多くの要素が絡み合っており、道路輸送には時間がかかり、海上輸送には量が必要など、目的に応じてさまざまな対策を組み合わせる必要がある。
菅野氏は、ベトナムには多くの選択肢があり、旅客輸送用の高速鉄道を開発することが可能で、貨物輸送の場合、利用可能なルートを活用し、さまざまな輸送手段を組み合わせる必要があり、政府の戦略、経済効率、カーボンニュートラルの目標に応じて適切な選択を行う必要があると述べた。
(情報ソース Thanh Niên)